全ての藍建て技法を実践

愛媛県での2年修行も終わり
結局、同期5人中
最後まで残ったのは僕だけだった
1人で卒業を迎えた。

京都へ帰り、染司よしおかへ入門

16歳の時からよしおかで
染色をしている70歳の番頭
染師の福田伝士さんから
みっちり指導を受けた
指導というよりかは、研究に近かった

そこで行った藍の実験
(藍のみに焦点を当てています)

まず、
藍の染料で使用したのは5種類

1.すくも藍(蓼藍を堆肥状にしたもの)
2.蓼藍の乾燥葉
3.琉球藍(沈殿藍)
4.インド藍
5.インディゴピュアー(化学染料)

次に建て方(仕込み方) 6種類

1.天然灰汁発酵建て 
 (すくも藍、琉球藍、インド藍)

2.亜鉛末建て 
 (インド藍、すくも藍)

3.乾燥葉で灰汁建て 
 (蓼藍)

4.割り建て 
(インディゴピュア、すくも藍)

5.硫酸鉄建て
 (すくも藍、インド藍)

6.ハイドロ建て 苛性ソーダ
 (すくも藍)

おそらく大体の藍建ては一通り経験した
大青という藍もあるが
色素が少ない為除外している

現代主流の藍建てはほぼ全て実践した
他にあるとすれば
上記の技法から派生した
オリジナルぐらいだろう

毎日小さな布を試し染めをして
日々帰宅後ノートに経過とともに記録した

どの藍を使い、どの建て方をしたら
日光にも強く、洗濯にも強いかを
身体で覚え、理解した

それでも、自分の中で納得できる
100%に近い答えを見い出す事ができなかった

それと同時に工房の仕事用の藍は
まだ触らせてもらえなかったので、
それなら自分でやって学んでやると
当時住んでいた団地の風呂に
バケツを用意して
身銭を切り藍の研究を始めた

 

天然が一番良い と信じる自分軸の元
自宅の藍では数々の失敗を繰り返した
くそ高い藍がまったく建たなくて
無駄にした事も多々あった 半泣きの日々
両手ぐらいの給料なんて一瞬で底がつく
翌月までお預けなんてざらにあった

それでも諦めず
試行錯誤しながらやりまくった

天然の建て方はこのやり方が
正しいと思っていたので
初めて建てた技法は
天然灰汁発酵建て
すくも藍 木灰汁 石灰 麩

自分の物を染めて使うのは
染めた物に対して客観視しにくいので
友人の仕事着を染める事にした
それが、狐や の 恭維

染めたダボシャツを使ってもらった

しばらくして恭維から
洗濯すると色移りがする
という連絡が来た

色落ちもしてると。

洗いもかなりしたのに
天然なのになぜ色移りがするのか
わからなかった

SNSで調べても表面上な事しか出て来ず

江戸時代から続く天然灰汁発酵建て
天然100%の本藍染は色移りしない
 

程度の浅い情報しか出て来ない

どうすればいいかわからなく
考え込んでいた時に
先生(吉岡幸雄)がいつも僕に
口酸っぱく言う言葉を思い出した

松崎、本物を知り本物を見なさい

歴史に答えがある
歴史を知る事が1番の近道や

続きは次の記事で書きますっ!
ありがとうございました!

インスタグラム
@matsuzaki_riku

≪ BLOG一覧へ戻る

CONTACT

京藍染師 松﨑 陸へのコラボ商品のご依頼、その他のお問い合わせ等は、お電話、
またはお問い合わせフォームより承っております。お気軽にご連絡下さい。