本藍染との出会い

前回の続き

ここからは藍に焦点を当てて話していく

2015年

染司よしおかに弟子入りを申し出たが
まったくの素人を弟子に入れるわけもなく
愛媛県に2年間勉強に行けば弟子に入れてやると言われ、愛媛県に2年間行く事になった

そこでは、絹糸を吐き出す
蚕(かいこ)を育てるところから始まり
それが糸になり布になり服になる
しかも、ほとんどが手に寄って行われる

要するに全ての工程を知り、学べる
日本でもそこぐらいしかないんちゃうかな
と思うぐらいの場所だった

そこで教えてもらったのが本藍染
(藍のみに焦点を当ててます)
人生で初めて、藍の栽培と藍染を学んだ

その時に教えてもらったのが

・藍は徳島県が産地であること

・本当の藍染は本藍染 という事

・本物の藍を使っているから本藍染

・江戸時代から続く天然灰汁発酵建て
 という技法を使うのが本当の藍染

・本当の藍染 本藍染の寿命は平均3ヶ月

大まかに言うとそういう内容だった

初めての藍染を前にし
知識のない僕はそれが本当なんだと
鵜呑みにし、吸収し理解した

藍を染められる状態にする事を
“藍を建てる” と言いますが
その、建て方にもいろいろなやり方があり

愛媛県で学んだ事は
本藍染の天然灰汁発酵建て
藍(すくも)、木灰の灰汁、石灰、
日本酒、麩や水飴、はちみつ等を
使用するという内容だった

あとは、藍の色素は水に溶けないため
藍の色素が溶け出す
アルカリ性の液にしないといけないこと
その数値 いわゆるph(ペーハー)
水素イオン指数というものが
すごく大事になってくる
要するに、簡単に表すと
ざっくりと3種類あり

酸っぱいものは(梅干しやお酢など)
酸性 ph1〜4

日常で僕たちが使っている
水は中性 ph5〜8

石鹸などぬるぬるするのが
アルカリ性 ph9〜12

アルカリ性にするために
木を燃やした灰に熱湯を入れ
その上澄み液(灰汁)を使う

それでは、phが足りないそうなので
石灰を入れてph数値を高く保つ

ph11以上を保つように
毎日数値を計り液を掻き回し
管理をしなければならない

それでは
その時の本藍染の仕込み方を
当時の写真を交えて解説していきます

まず、事前に仕込む浴槽(藍甕)に
雑菌の繁殖を抑える
消毒のため石灰を振る↓

 

アルカリ性の液に
石灰と藍(すくも)を入れて練る↓

 

練った石灰と藍(すくも)を浴槽に入れ
木灰の灰汁を入れる↓

 

そこに、藍に与える栄養分として
日本酒、麩や水飴、はちみつ等を入れ
微生物の発酵を促す

1週間ほどすると
茶色だった表面が青色になり
空気を入れながら掻き回すと
表面が青い泡だらけになる
これを、“藍の華”という 事を教わった

 

染めてみると
緑から青に変わり簡単に濃く染まる
これが、本物の藍染なのか と
その時は初めて植物で布が染まる感動と
これが本物の藍染なのかと理解していた
手も真っ青になった

 

そして、
本物の本藍染は
色移りがしない
という事も教わった

Tシャツを染めさせてもらった
綺麗に濃く染まり
これが藍染かと感心していた

でも、
数ヶ月が経つと
色がムラムラに焼けている事に気が付いた
部分部分で色が抜けているような
飛んでいるような

 

本物の藍なのに、これが普通の事なのか?

商品として成り立つのか?

心の中にその疑問が居座り
自分の中で常に引っかかっていた

それを機に藍の根本を掘っていく事になる

次回はインド藍 薬品建てとの出会いについて

※ここでは、藍との出会いから
自身が今現在行なっている正藍染
そこにどのような経緯で行き着き
今現在の藍染に至って
ものづくりをしているのかを書いてます

最後まで読んでいただき
ありがとうございました!

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