大正時代に滅びた京の水藍。京藍を当時の場所で復活させた訳

今年の京藍一番染めの色を一緒に見よう!

 

 

毎年、その年の京藍の色を見るのですが
どうせなら一緒に見てみましょう!と
去年から始めたプロジェクト

 

 

去年の、京の水藍の生育はあまり良くなく
でも、色はかなり濃くてそんなこともあるのかと驚いていました

 

今年の水藍はかなり豊作ですが
色はどうなのか。

 

皆さんで一緒に
その年にできあがった京藍の1番目の色
最初の色を一緒に見る活動がとうとう明日です!

 

 

 

 

今年の京藍はどんな色に染まるかな〜

 

 

 

 

僕がなぜそこまで京藍にこだわるのか。
なぜ、京藍を復活させたと言っているのか。

 

 

この間のラジオ関西さんでも話させて頂きましたが
ラジオで話してない事も書いてみます。

 

 

では、結論から書きますが
一つ目は、生まれた場所が元々の産地
二つ目は、家の家紋が京藍染 です。

 

 

一つ目の生まれた場所が京藍の産地。から

 

ぼくが生まれた場所が西京区の洛西(大原野)という地域です

 

 

平安時代に奈良→京都へ都が移りましたが
僕が生まれた地域は実は奈良時代から栄えていました

 

 

奈良に行く為に作られた、奈良道が今でも残っており
奈良にある春日大社の3,000近くある分社の中で

初めての分社が京都の大原野にある大原野神社です

 

 

平安中期に成立した源氏物語にも出てきます

 

 

 

京藍に関して言うと、1334年や1431年の文献に出てきます。

 

その他にも松尾芭蕉の弟子が京藍の俳句を書いていたり

 

1712年の文献には藍は京洛外の産と記されています

 

インターネットで調べていると、京藍=洛南

とよく出てきますが洛南だけで栽培されていたとすると

洛南の産と記されているはずです。

偏っていますね〜

 

 

 

京洛外と記されているという事は

京都の中心を囲む洛外(洛東、洛西、洛南、洛北)で

育てられていたという事です。

 

 

 

大原野に300年家を代々守り続けている方の

お宅にお邪魔させて頂いた時がありましたが

そこでかなり丁重に保管されている

甲冑を見せて頂く機会がありました。

 

 

よ〜く見ると、臑当に使われている紐が淡〜い藍

 

 

それを見た瞬間、絶対京藍やん。と確信しました

 

 

300年前だと大体藍は京洛外が産と記されている文献と同じ時期

 

 

やっぱり、この辺りでも栽培されていたか。と確信に変わりました

 

 

おっちゃん、この価値をわかる人間は居ないから
死ぬ時は僕に譲って下さいとお願いしておきました。

 

 

平安時代の洛西は大原野までいってないやろ
と言われそうですが平安時代以前の
奈良時代から栄えていた場所なので
色々と情報を提供していた地域だろうと想像できるかと思います

 

 

 

二つ目は、家の家紋が京藍染
団地育ちなので家に家紋があることすら知りませんでしたが
ある日ばあちゃんに呼ばれて

 

 

私が亡くなるとあんた以外
大切に保管する人は居ないからと
家紋入りのハコを受け取りました

 

 

なんなんこの家紋 と聞くと

 

 

その家紋について、色々教えてくれました

 

 

家紋がまさか自分の家系にもあるのかと興味津々で
自分でも、色々調べていると
その一族は、淡い藍で染めた家紋を使ってました

 

 

その一族を調べると
当時淡い藍(京藍 京の水藍)を作れる技術を持っていたのは京都しかなく
まさかの京藍染やん!と衝撃が走りました

 

そんな色々なご縁を感じながら
元々の産地であった場所(京洛外)で

大正時代に滅びた京藍を

リアルに再現&復活させている人が誰一人居なかったので

ほな俺がやります。となりました(最後適当)

 

 

いつも、メディアで話させて頂く内容は
ニューヨークで藍と出逢う→修業(京藍が自分の生まれた産地と知る)→独立して京藍復活

 

っていう自分のプチストーリーですが

 

その中の2つにフォーカスして書いてみました

 

 

先日お会いした方に言われたことがあります
◯◯復活なんて、よく聞くし、どこでもあること

ブランディングとして利用してるだけやけど
いききってる人は中々居ない。

 

 

 

栽培に関して
京藍の元々の産地で復活させて、江戸時代の文献に記されていた肥料を使って育てている

 

染めに関して
蒅(藍の染料)が日本で誕生した室町時代の技法で染めている

 

水に関して
一年に2週間しか採取できない水を使っている

 

縫製に関して
ミシン糸も天然100%で染め自身で縫製している

 

うん。書いてみると客観視できますね。
やってることが時代の時間軸に合ってなさすぎる

 

 

だいぶやばい頭おかしい変態と
よく言われますが
その意味が少しわかりました。。

 

 

明日のイベントの話からだいぶ広がってしまった!

コアなお客様は、工房にたくさんある文献も見れます。

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